(注)本ブログは11月7日に @Prs_Watch が行ったツイキャス(Twitcasting)のネタをザックリ文面としてまとめたモノである。キャスはリスナーとの対話も行う形式上要点から外れつつな部分もあるので、ツイキャスのテーマである「プレミア12アメリカチームプレビュー」のみをおさらいしたい場合はこちらを参照して頂けると幸いである。
実は本ブログ、リスト形式のポストが主(文面をキチンと書いたのはカナダのSmackdown!ネタだけだろう)なことに気付いた。Twitterで与えられている140字では収まらないリストを作り、貼り付けるだけの場となっているのは少々勿体無い。
写真の人が口にした「この日本」たるスケールには至らないが、このブログを変えたいとの気分で本ポストは作ってみたモノである。
で、(注)でネタバレがされているが、本ポストで語るネタは「プレミア12アメリカチームプレビュー」である。「【プレミア12】全12ヶ国プロスペクトリスト」ではメンバーの3行レポはアップ済みだが、ここではチーム全体としてのイメージやオーダープラン、Pリレー等についての戦術面にも言及する予定だ。ただし(ツイキャスでも述べたが)コレはあくまでも私見であり、なるべくリアリティを求めつつも私の「ああしたいなー」「こうしたい」たるイメージの域は出ない。大会のオーダー & P起用をチェックする上での1つの参考材料として扱ってもらえると幸いである。
本ポストは「オーダー&ベンチ」「P起用」「全体評」の3本立てでお送りする。2ch等でボロクソな評判なプレミア12だが、プロスペクトがココまでの規模(本ブログで抑えている限りは56人がプレー予定)でプレーする点はWBCには無い面白味である。
WBCとはまた別モノなアメリカチームの特徴をお伝え出来ればと思いつつ、スタートしてみよう!
オーダー&ベンチ
米11月1〜6日に行われたエキシビションのオーダーも抑えつつ、オーダーを組んでみた。ベンチメンバーも込みで整理しよう。
- (中)ジェーコブ・メイ(CWS)
- (遊)アダム・フレイザー(PIT)
- (三)タイラー・パストーニッキー(PHI)
- (指)ダン・ブラック(KBO・KT)
- (右)ブレット・エイブナー(KC)
- (左)マット・マクブライド(COL)
- (一)カイル・マーティン(PHI)
- (捕)パーカー・モリン(KC)
- (二)ジョー・スクラファニー(HOU)
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ベンチ
捕 ダン・ロールフィング(MIL)
内 エリオット・ソト(MIA)
外 ブレット・フィリップス(MIL)
このオーダーについて何点か補足もすると
- 打者12人たる編成上、大会ではベンチ等の概念抜きにローテーションでオーダーに組み込まれると目される。U18やパン・アメリカンもだが、アメリカチームは特に2B & 3B & SSのタレントがなかなかに分厚く、IFはフレキシブルな起用が出来るハズだ
- BOではメイをリードオフに置くスタイルがマネージャーのウィリー・ランドルフはお気に入りなようで、エキシビション3G全ての1番はメイだ。パストーニッキーが3番に入るケースではフレイザーかスクラファニーが2番に入るだろう。コンタクトスキルがハイレベルなフレイザー、BBを生み出せるアプローチが光るスクラファニーいずれも2番たるポジションにフィットするタレントである
- 一方で評価が平凡なのはフィリップス。エキシビションではスタメン入りをしても下位に固定。Kが多いバッティングがネックになっている側面は拭えない。エキシビションではソトがバッティング評価を上げており、2人は対照的な扱いになりつつあるとも言える
オフェンスのバランスの良さが光るオーダーだ。15年7月のパン・アメリカン大会と比べると、プロスペクトのレベル自体は下がった一方、アメリカはパワー面で向上を辿っている。パン・アメリカン大会ではトム・マーフィー(COL)& パトリック・キブラハン(SEA)の2人に任せていたパワー供給の起点が、プレミア12ではオーダー4〜7番(ブラック & エイブナー & マクブライド & マーティン)と2倍となる。
4人は打者としてのタイプがいずれも別モノだ。ブラックはBBを生み出せるだけのアプローチを示し、エイブナーは粗さがある一方でスタンドに叩き込めるだけのツボもある。マーティンは狙い球を絞って一気に振り抜いていくタイプ。フリースインガーのマクブライドもコンディション次第では大会で爆発力のあるバッティングを示すことが出来るだろう。オフェンスの形は(もし上のオーダーならば)走者を送り出し、4人のロングヒットで得点を生み出すスタイルとなるハズだ。
そして、4人の前に出塁する役目が求められる5人も、メイ以外はソリッドなショート/ミドルヒッターとしてマイナーでは評価を得ている。いずれもスキルが高く、Pに対して粘り強い対処を行えるタイプ。パストーニッキーはメジャーでのキャリアではチームナンバーワンな打者であり、粗さが拭えないメイも20-80評で70のスピードで塁上からプレッシャーをかけることが出来るタレントだ。
このオーダーの形・目的が真であるならば、ランドルフのフィリップスに対する評価も平凡なモノに止まるに決まっている。フィリップスはこのメンバーでトップのプロスペクトだが、ミドルヒッタータイプながらもKがやや多い点にネックがある。このオーダーにおいてフィットする役目は少なく、起用が行われる場合はメイもしくはマクブライドとのプラトーンになると見ている。ただし、メイよりも上位のクラスで目立つパフォーマンスを示しており、パワーでも大きく上回っている。私としてはフィリップスに1〜3番のいずれかに入る形を望んでいるが、ココでは大会内でそうなる日が訪れることを祈るばかりだ。
モリン→パストーニッキーまでで1〜2点、4〜7番の4人で残った走者を返す形が理想となる。チーム全体でアプローチ良くゾーンをコントロールする打者が主に揃っており、相対するPとしては焦らず、じっくりと1人1人の打者を処理するスタンスが求められるハズだ。
P起用
まずはPスタッフを「SP」「RP」2区分で大別しよう。
SP アーロン・ラフィー(COL)
SP ケーシー・コールマン(KC)
SP ザック・セゴビア(SD)
SP アンソニー・バスケス(PHI)
SP ジャレッド・グルーブ(CLE)
SP ダナ・イブランド(BAL)
SP ブルックス・パウンダース(KC)
SP ジーク・スプリール(BOS)
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RP ジョン・チャーチ(NYM)
RP コディ・サッターホワイト(NYM)
RP コディ・フォーサイス(PHI)
RP ジョーイ・デナト(PHI)
RP J.B.ウェンデルケン(CWS)
RP ジェーク・バーレット(AZ)
RP セス・シモンズ(AZ)
プレミア12はWBCとは別のレギュレーションを設定しており、1人のPに対する球数制限が無い。しかしSPタイプのPを8人もロースターに入れた点からは、レギュレーションは別モノでもWBCと同じくメジャークラブ & 保険会社サイドからの圧力を受けざるを得ない状況を感じさせる。
とは言え、この形のP編成はパン・アメリカン大会も同じであり、パン・アメリカンではプロスペクトのSP4人(ザック・エフリン→ネート・スミス→アーロン・ブレアー→ジェーク・トンプソン)をローテーションとして回していた。コレに倣えばSPとしてはパウンダース & ラフィー & もう2人がプレーする予定だろう。もう1人にはエキシビションでもSP起用が主なラフィーが入るか?個人的にはスプリール & バスケスのローテ入りも目しているが、この点は大会に入るまでは不明な点も多い。逆に言えば、それだけSPの層は分厚い。
SP4人以外はリリーフとしてのプレーとなるが、ベテランにウェンデルケン & バーレット & シモンズと評価の高いリリーバーがタフなゲームでは1人1人キーマンになるハズだ。マイナーでもハイレベルなK/9をマークしたウェンデルケン & シモンズはエキシビションでも1G目にて2人で計3IP/8Kをマーク。バーレットもここ2年はパフォーマンスが平凡もアリゾナ州立大時からクローザーとしてキャリアを歩んでいる点で適性は大。ココにタフなシーンでの火消し役としてベテラン(特にキャリアが豊富なイブランドあたり)が光る布陣になると面白い。この点についてはエキシビション全体でコールマンのパフォーマンスが平凡な点が気になるが、Pの人材は計15人と厚い。1人のコンディション不良を補えるだけの体力は持ち合わせていると言える。
総評
プレミア12のアメリカチームは非常にソリッドだ。ダイナミックなプレーで相対するチームを圧倒するスタイルでは無く、ミスの無いプレーで淡々としたゲームメークを行ってくるハズだ。「40人ロースターのメンバーはNG」たる制約を守りながら、アメリカは勝利を堅実に得ることが出来るチームを作り上げてきた。
オフェンス・ディフェンスいずれもスゴさには欠けるが、各タレントのプレースタイルをチェックしてもチームとして一丸となった攻守のアプローチを採用出来る点がアメリカ最大の持ち味だ。特にエキシビションではPがコンディションの良さを示しており、エキシビションの全失点の半分以上はコールマンが喫したモノ。堅実なゲームメークを実現する上で非常に良い材料と言えるハズだ。
総評としてはトータルで実力があるチームであり、ココは有力なプロスペクトを欠きながらも流石はアメリカと言ったところだ。WBCで見られる、各チームのスラッガーを集めたダイナミックさは無いが、その分勝利を目指す集団としての(プレースタイル上の)一体感は上回っている、との評価が本ブログでの見立てである。
そして本ブログとしても、そんなアメリカチームがプレミア12初代チャンピオンになることに大きな期待をしているワケなのだ。
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